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WML軽井沢1990(19年)

軽井沢1990(19年)
ウィスキーマガジンライブ2010記念ボトル
60.0% 700ml

蒸留:1990年
瓶詰:2009年
Cask type:シェリーバット

価格:9000円前後
オススメ度(8)
☆☆☆☆☆☆☆☆

香り:深く甘い厚みのある香りだが、活き活きとした要素、透明感も感じる。
チョコレート、生キャラメル、適度な硫黄由来のややスモークとかりんとうのような香ばしい香り。
鼻腔を刺激するスパイスもある。

味:意外とさらっとした口当り、しかし味全体は力強い。
サルタナレーズン、少量の蜂蜜、胡桃、特別に濃厚というわけではないが、透明で一体感のあるシェリー感。バランスのよさを感じる。
余韻はややウッディでビター、舌上にスパイスを伴う、メイプルシロップのような戻りもある。

コメント:使われているシェリー樽の質が非常によいのだろう、フレーバーはやや単調ながら、
価格との兼ね合いを考慮すれば、WML2010記念ボトルの中では軽井沢が頭ひとつ抜けてる印象。
味の評価は☆7ながら、総合判定で☆8!

軽井沢蒸留所は個人的に気になっている蒸留所のひとつ。
というのも、軽井沢蒸留所を所有していたメルシャン(現:キリングループ)は、シェリー酒の大手メーカー、ゴンザレス・ビアス社とシェリー酒の販売を通してつながりがある。
あくまで素人考えであるが、今や安定して確保することが難しくなっている、ソレラシステムで使い古された、良質なアメリカンオークのシェリー樽を確保しやすいと考えられるのである。

近年、樽材となるアメリカンオークの減少や、“シェリーの消費<ウィスキーの消費”による需要が供給を追い越した状態が続くことで、良質なシェリー樽不足が深刻になっている。
これにより、シェリー樽の確保が十分でない蒸留所は、今後ますます苦労を強いられることになるだろう。
バーボン樽やその他の樽へうまいことシフトできた蒸留所はまだいい。
しかしそうでない蒸留所、例えばグレンファークラスだが、近年のボトルになってますますリフィルシェリー樽の使用率が増えている印象で、なまじシェリー系のイメージが強くなりすぎたため、樽の工面に苦労しているという感じだ。

上記は別にキリンやメルシャンの方に裏を取った話ではないが、蒸留所限定品やWML向けボトルで素晴らしいシェリー系ウィスキーが出ていることを考えれば、やはり今後も期待してしまう。
もっとも軽井沢蒸留所は生産を休止しており、いくらシェリー樽の流通ラインが確保されていても、原酒が生産されていないのでは本末転倒なワケであるが・・・

#軽井沢

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