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オールド・パー(1950年代流通)

オールドパー(1950年代流通)

760ml 43度
特記事項:ティンキャップ、兼松江商取り扱い

オススメ度(5)
☆☆☆☆☆

香り:品の良いオールド系のシェリー香、カラメル、奥にレーズンや葡萄がある。
少量のウッディさ、落ち着きのあるまろやかな香り、しかし多彩というわけではない。

味:まろやかで甘い口当たりだ。醤油やカラメルソース、お菓子のキャラメル、たまり醤油飴、
非常にスムースでメロウな味わい。ヒネはあまり感じない。
余韻にかけて煮付めたリンゴ、蜂蜜、飲むほどにヘザー系のビター感とドライさが蓄積していくよう。

コメント:Sheepにて。一言で言うと甘くまろやかでリッチな酒。
グレーンの含有率が高いのか、現行品に比べれば当然モルティだが、
同年代流通の他のブレンデットと比べるとちょっと中間が没個性的かなぁという印象。
もっとも、使われている原酒がクラガンモアを核としてグレンダラン他なので、
原酒の傾向が素直に出ているとも言える。

2010年のGWにあたって店に出したボトルだが、開封はなんと半年以上前。
「開けたてはシイタケバリバリでとても飲めたモンじゃなかったから」とのこと。
確かにオールドボトルの開けたては、香りが引きこもっていたり、
異常にヒネていたりと、中身が変化してしまっていることが多い。

よって事前に4月29日から店に出すボトルは聞いていたが、このオールド・パーについては
「少なくとも1ヶ月は味が戻んないんじゃないかな・・・でもSheepさんだとこの手のボトルは空くの早いからなぁ・・・」
なんて考えていたけれど、そこはさすがモルトBARのマスター。
ちゃんと飲み頃を把握されておりました、余計な心配でしたね^^;

オールド・パーといえば、かの内閣総理大臣、吉田茂や田中角栄も愛したウィスキー。
吉田茂とオールド・パーのエピソードはTHE Whisky World Vol.25、「ウィスキーの殿堂」にて詳しく書かれているため割愛するが、
ここに吉田茂が飲んでいたオールド・パーの写真が掲載されている。
ティンキャップで特級表記、持ち主の話では1960年ごろに飲まれていたモノの残りだという。

今回Sheepに出ているボトルは、まさに吉田茂が愛したころのオールド・パーと同じもの。
(なんとワンショット2000円での提供!)

このウィスキーを片手に、じっくりと今の日本を考えてみるのもいいかもしれない。

#オールド・パー

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