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ヘリオスの謎のウイスキー!?

沖縄唯一の総合酒造会社であるヘリオス酒造



6年前に、本社・工場(沖縄県名護市字許田405番地)を見学させてもらった。
6000坪という広い敷地に、小さな本社 兼 見学者用試飲・販売所の事務所棟、泡盛の製造棟、4階建てくらいに匹敵する高さの大きな貯蔵庫とそれよりひと回り小さい貯蔵庫の計2棟という、想像以上に大きな会社である。

そのときに同社がウイスキーの製造免許を取得して、本社横の小さな建物でウイスキーを製造していることを知った。
以下は、担当者から伺ったウイスキーの概要。古い話なので記憶違いがあったら、お許しください。(写真がないのが残念だ!)
・ウイスキーは、スコッチ・タイプ。
・泡盛とラムの製造設備は別。ウイスキーはラム用と共用。
・銅製円筒型(目測で直径1.6m×高さ2.3mくらい)の単式蒸溜器が2器。蒸気加熱。
・内面を焼いたホワイトオークのバット樽(500リットル)で熟成。
・ラック式貯蔵庫の最上段に貯蔵。
・「今は作っては貯蔵する時期」で、発売は未定。

アメリカンウイスキーの世界では、熟成庫の最上階を「イーグルズ・ネスト(鷲の巣)」と呼び、最も熟成に適した空間だというが、気温が高い沖縄でも同じなのか?
なかなか興味深かった。

この「ヘリオスのウイスキー」は未だに発売されておらず、今もHPには以下のように書かれている。
皆様の前にあらわれるまで、もうしばらく時間がかかり ますが、熟成の眠りの中じっくり磨きをかけています。

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ここまで書いて、古い琉球新報の記事を見つけた。
10年前に、ヘリオス酒造が台湾で「神谷ウイスキー」のブランド名でウイスキーを発売したというのだ。(現在も販売しているかは不詳)

(往々にしてサーバーから消去されることがあるので、以下に記事全文を引用しておく)

ヘリオス酒造、「神谷ウイスキー」発売、当面は台湾限定 (1999年3月23日付)

ヘリオス酒造(那覇市、松田亮社長)は19日、台湾で新製品「神谷ウイスキー」の発売を始めた。台湾で開催された「沖縄フェスティバル」の席上、発表した。同ウイスキーは40度の12年物。価格は800元(日本円で約3000円)。当面は台湾での限定販売となる。
同フェスティバルでは持ち込んだ500ケースが完売するなど順調な売れ行きをみせた。
台湾での発売について松田社長は「本当は泡盛を販売したかったが、泡盛は米が原料のため、台湾への輸入が禁止されている。現在、台湾は日本の洋酒がブームになっているので、ウイスキー販売を導入することにした」と説明した。
ウイスキーを発売することで販路を開拓し、ヘリオス酒造の知名度を高めながら、将来、泡盛の輸入が認められた場合にも備える狙いがあるとみられる。
沖縄フェスティバルで、集まった地元台湾の記者団に発表した松田社長は泡盛、ラム酒など五種類の酒を製造していることなど会社の説明をした上で、「酒はTPOに合わせて種類を替えて飲むものだと思う」「12年熟成した神谷ウイスキーを台湾の皆さんにぜひ飲んでいただきたい」などとPRした。

記事には12年物とあるので、1980年代半ばにはウイスキー作りをしていたことになる。
20年以上熟成されたウイスキー樽が、今日も貯蔵庫に眠っているのだろうか?

また「ヘリオス・ウイスキー」ではなく、なぜ「神谷ウイスキー」なのか?
台湾での「登録商標」の問題だろうか。

さらに、なぜ、あえて「神谷」なのか?
普通「神谷」といえば、酒好きは神谷バーの神谷傳兵衛を連想してしまう。

そして「早く飲んでみたい!」と思うのが、ウイスキー好きの本能。
なぜ、日本では売り出さないのか?
不思議だ!

いろいろと謎に包まれた「ヘリオスのウイスキー」である。

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katotomo様から、
神谷ウイスキーについて、たいへん貴重な情報(↓Commentsを参照)をいただきました。
ありがとうございました。(追記)

   ヘリオス地ビール@沖縄。
   ヘリオス・ラム
   ヘリオスの謎のウイスキー!?

#ヘリオス酒造

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