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待ち遠しい、シングルカスク10年。

初めまして。
麦溜(Bakrew)と申します。
肩に力を入れずに、ぼちぼち書いていきますので、よろしかったらお付き合いください。

今年一番の楽しみは、ニッカウヰスキー余市蒸留所のマイウイスキーづくりで樽詰めした酒が、ついに10年目を迎えて、年末に壜詰めされ手元に届けられることだ。

当時、ウイスキー・ファンの間でも、マイウイスキーづくりのイベントはほとんど知られていなかった。
新聞に載った数行の小さい記事で知った私は、酒飲み仲間5人を誘って(申し込んだだけで全員が参加できたなんて、いまでは考えられない!)、2日間、余市で懇切丁寧にウイスキーづくりのイロハを教えていただいた。

実習で一番驚いたことは、樽の内面処理(チャーリング)だった。表面を焦がす程度だろうという生易しい想像を遥かに超えた、ぼうぼうと樽を燃やす炎の激しさと、1、2ミリの厚さで炭化して内面が真っ黒になった樽を目の前にして、ウイスキーは工業製品ではない、人が真っ当に仕込み、樽に詰めたあとは自然が育てるものなのだ、と実感した。
それまで私のなかで、ウイスキーはいろいろある酒のひとつという位置づけだったが、この瞬間からウイスキーと正面から向き合うことを決意した。
ウイスキーの面白さを知ってしまったのである。
酔うためにウイスキーを水割りやロックで呑んでいた私は、それからはニートで嗜み、いろいろなウイスキーを飲み比べ、個性の違いを味わい楽しむように努めてきた。

いま私はニッカさんに、是非、希望者には余市蒸留所でウイスキーを受取らせてくださいと、お願いしている。
余市の自然に感謝して、合わせてニッカ社員の方々、とくに10年間、ウイスキー樽を愛しんで管理していただいた余市蒸留所の皆さまにお礼を申し述べたい、という思いからだ。

樽詰め前の味見で初めて飲んだあのニューメイクが、10年の時を経て、どんなウイスキーになっているのだろうか。
マイウイスキーづくり参加者20名限定の「余市シングルカスク10年」の封をきる瞬間を、いまから楽しみに心待ちしている。

#ニッカウヰスキー

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