ホワイトホースを生み出した、稀代の情熱家、
ピーター・ジェフリー・マッキーが造りあげたブランド、ローガン。
ホワイトホースの上級版、ローガンは、
1980年代以降 ローガン
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1970年代 レアード・ローガン
↓
1960年代後半 ローガンズ グレイラベル ホワイトホースプリント
↓
1960年代前半 ローガンズ グレイラベル ローガンイラストプリント
と、商品名とラベルが変遷していきます。
通常のローガン表記のものは80年代以降流通。
LAIRD O'表記がある、レアードローガンは1970年代の流通。
(1970年にアメリカの代理店の意向によりレアードに改名)
それ以前は、LOGAN'S(ローガンズ)という商品名になり、
ラベルの色が灰色のグレイラベルになります。
本ボトルは1960年代後半に流通した、
グレイラベル(ホワイトホースプリント)です。
1960年代前半以前になると、グレイラベルで
ローガン氏の肖像イラストが描かれています。
また、ローガンの商品名については、
ホワイトホース社(当時の名称はマッキー社)の創業者、
ピーター・マッキーの叔父で、ラガヴーリンを運営していた
ジェームズ・ローガン・マッキーから付けられたとされていることが多いですが、
1971年付のグラスゴーヘラルド紙によると
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叔父と同姓同名のピーターの唯一の息子、
ジェームズ・ローガン・マッキーが第一次世界大戦中の1917年に亡くなった。
大戦前に彼は会社(マッキー社)に入社していたが、亡くなった時、彼はまだ24歳だった。
悲しみに暮れた彼の父親(ピーター)はその後、子供をつくることはなかった。
その8年後、ピーターが亡くなった翌年の1925年に、
サー・ピーター・ジェフリー・マッキーの名の下に、
「ローガン(息子)との思い出に捧ぐ」としてホワイトホースを越える
”ローガンズ(ローガンのもの、の意)”がリリースされた。
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とされています。
「レストレスピーター(休みを知らないピーター)」として、ひたすらに働き、
生涯をかけて築き上げたブランド、ホワイトホース。
晩年、それを越えるものとして
「ローガンのもの」というウィスキーを造ったことを考えると
これは息子の酒だ。自分の後を継いで息子が造るはずだった酒だ。
ホワイトホースを越えるウィスキーは息子が造っていくはずだった。
自分を超えて、そして生きていって欲しかったという
ピーターの願いが込められているような気がしてなりません。
上掲のローガン、1960年代後半流通、グレイラベル・ホワイトホースプリントが
入荷予定です(入荷はまだ先です)。
ここまで読んで頂くと、ローガンにホワイトホース印があるのは、
ピーターの遺志とは少し離れてしまう気がしますが、
それも時代の流れなのでしょう。(現在はホワイトホース印はなくなっています)
発売から40年以上も「ローガンズ(ローガンのもの)」として発売され続け、
じき誕生から90年を迎えるロングセラー、ローガン。
今も、ピーターが愛した息子の名は語り継がれています。