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銀座の思い出

誤解があるといけないので最初に書いておきます、オイラは銀座で修行した訳じゃありません。
ただ一流のバーマンの仕事が見たくて、それだけ目的で夜行バスで東京に行ったんですよ。
天満卸売り市場の外れでアンダーグラウンドな三流Barを営みつつも
向上心だけは一流のつもりだったんですね。

老舗バー「クール」や当時上田和夫さんがいらした「資生堂パーラーロオジエ」
ゴージャスで重厚な「セント澤井オリオンズ」女性だけでは入れなかった「トニーズバー」
尾崎浩司さんの美意識があふれる「バーラジオ」(ココは青山だったかな?)
ホント素晴らしいBarばかりだった。
 
当然銀座だから値段もモノすごく高いんですよ、でも全く勿体ないとは思わなかった。
今まで本でしか見ることの出来なかった憧れのバーマンの仕事が見られて、味わえるのだから。
お店で儲けさせて頂いたお金は自分への投資・店のグレードを上げる為に投資していた。
この程度のお金は授業料と考えれば安いものだった。

その当時20代半ばのオイラは当然どこのお店でも浮いていた事だろう。
もちろん冷遇される事はなかったが「クール」でとても上品な年配のホステスさんに
ガチンコの接客されてとても困った記憶がある。

「大阪からいらしたんですか今頃は大阪城の桜も紅葉で綺麗でしょうね」とご婦人。
「・・・ハイ、多分綺麗だと思います」とオイラ・・・会話が続かない。
Barにホステスさんが居るなんて全くの想定外だった。

静かに飲んでればOKというオイラの常識は銀座では全く通用しなかったのだ。(笑)

昔嫁さんと個室で仲居さんが焼いてくれるすき焼き屋さんに行った時の気まずさを思い出した。
二人とも何を話したのか味さえ覚えていない、こういうモノには人生経験が必要なのだ。

それと思い出をもう一つ、ニッケルシルバーのシェイカーだ。
こいつはニッケルとの合金だがシルバーが入ってるので黒く曇る。
伺ったお店でも良く使われててステンレスとは違う柔らかい銀色がなんともカッコ良かったんですよ。
思わず衝動買いです・・・今回久しぶりに磨き直して鈍い輝きを取り戻しました。

ステンレスの3つは次の人のために店に置いていったんです。
でもこいつだけは手放せなくてオイラの手元に残ってる・・・それは銀座の思い出だから。

正直ちょっと軽くて好みじゃないんやけどね~
やっぱ値段が高かったからなぁコレ。(笑)

引越しを重ねてちょっと凹んでますけど、久しぶりにこいつにも働いてもらいましょう!

OPEN 10月20日位になりそうです。(あ~忙し!)

#昔話になりますが

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