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新藤兼人語録

さすが!
含蓄ありますね。
あーでも私は若い人に入らないなー
監督から見ると私も「若造」かな?

挫折を乗り越えてきた人生経験から「今の若い人に言いたいこと」は―。

 若い人が何をしたらいいのか分からない、と言いますが、みんな生まれてすぐ方針が決まって、
その方針通りに年をとって、方針通りにうまくいくわけがない。
20代にね、分からないのは当たり前。だから、そのとき自分というものをよく見つめなさい、と。
弱気にばっかりなってもいけない。だから用心深さを一応は捨てる方がいい。

 「自分は映画監督にはなれない」なんて思う必要はない。
若い人に「一生懸命働く」とはどういうことかと。
全身をなげうって働く、すぐ眠たくなるぐらいまで働く、それが助監督の心得だと。
だけどみんな途中であきらめますね。「苦労しろ」ということではなくて、
実人生を自分で歩くという信念と自信を持たないといけないと思うよ。

 若いころ、シナリオを独学で学んだ新藤さんは読書家でもある。

 僕は活字で育ったんですよ。活字を通して西田幾多郎やニーチェ、
黙阿弥(江戸時代末から明治の歌舞伎作者)に会った。
映画人は映画を作っていくなかで自分の意見をつくらないといけない。
要するにいかに生きるかということなんです。
それが小説になったり、評論になったり、芝居になったりする。

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