MENU

ビール商戦に大異変! 泡立つ“家飲み”需要

http://news.nifty.com/cs/magazine/detail/toyo-20090713-01/1.htm

(東洋経済オンライン 2009年07月01日掲載) 2009年7月13日(月)配信

最盛期を迎えたビール商戦に異変が起きている。ビールの総需要が落ち込む中、第3のビールだけが猛烈な勢いで伸びているのだ。

 躍進を後押しするのは、不況による「内食回帰」の流れ。仕事帰りに外で飲むより、家で晩酌する人が増えている。節約志向を強める消費者は、おのずと安価な第3のビールに手が伸びる。スーパーでも「3月以降、第3のビールの売り上げは3割増ペースで伸びている。売り場面積も増やした」(イトーヨーカ堂)。

 最も税率の低い第3のビールは、ビールと比べて75円、発泡酒と比べても20円安い(350ミリリットル缶換算)。2005年以降、ビールメーカーは積極的に新製品を投入しており、市場は右肩上がりが続く。今年もビール各社は伸長を見込んでいたが、「予想以上に伸びている」(アサヒビールの荻田伍(ひとし)社長)。

 この結果、1~5月の出荷数量は、ビールと発泡酒が前年同月比7.0%、同14.3%とそれぞれ大幅に落ち込む一方、第3のビールだけは同26.3%増と急伸。まさにわが世の春を謳歌している。

過熱する新製品合戦
 唯一、売り上げを伸ばしている第3のビールは、メーカー各社にとって“希望の星”。ここぞとばかりに新製品投入が相次いでおり、熾烈なシェア争いの場と化している。

 現在、第3のビールではキリンの「のどごし〈生〉」がシェアトップを独走するが、毎月2ケタ増ペースで市場は伸びており、まだ勝負はついていないというのがライバルたちの見方。不況と相まって消費者が続々と第3のビールへ流れる中、「(細分化する)ニーズに対応する製品を出していくしかない」(アサヒの池田史郎マーケティング本部長)というのが本音だ。

 今年2月にはアサヒビールが新製品「オフ」を発売したばかりだが、9月に「麦搾り」を投入する。サントリーは4月に「ザ・ストレート」を、キリンビールも6月末に「コクの時間」を発売する。

 これまで第3のビールは麦芽や大豆など原料の違いで差別化してきたが、今年は味や機能性の細分化が進む。たとえば「オフ」は糖質・プリン体を抑えて機能性を訴求し、「コクの時間」や「麦搾り」では、コクを重視したビールに近い味を売りにする。矢継ぎ早の攻勢に「数年前の新製品濫発を思い出す」(業界関係者)との声も聞かれる。

 しかしライバルは、ビールだけにとどまらない。サントリーのウイスキー「角瓶」は、1~5月の売り上げが前年同期比12%アップ。このままいけばウイスキーは、実に11年ぶりに増加に転じる勢いだ。昨年9月から飲食店向けに、炭酸で割った「ハイボール」の取り扱いを倍増させたことも影響しているが、不況が思わぬ追い風となっているという。

 「角瓶1本で23杯分飲めて、炭酸水で割っても一杯100円程度」(ウイスキー事業部の田中嗣浩氏)と値頃感が受けている。6月からコンビニ向けに角瓶と炭酸水、ジョッキがセットになった「角ハイボールセット」を投入するなど、「家飲み」需要のさらなる取り込みを図る。

続きは 東洋経済オンライン で
http://www.toyokeizai.net/business/industrial/detail/AC/f96b5916f034d6165c897135340e3774/page/3/

#ニュース

この記事を書いた人