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The World Atlas of WHISKY 

デイヴ・ブルームのウィスキーに関する本がでました。マイケル・ジャクソンの「ウィスキー・エンサイクロペディア」のような本で、世界のウィスキーを扱っています。

デイヴは、洞察力がある、素晴らしいライターです。
スコッチなどは、ボトルごとに、Rich&Round、Fragrant&Floral、Malty&Dry、Smoky&Peaty,、Fruity&Spicyの5つのタイプにわけ、そのボトルに近いボトリングをあげています。

しかし、なによりの特徴は、各蒸留所のニュー・メイク(蒸留液)のテイスティングをしていることです。

私は、ニュー・メイクが苦手なので、詳しいコメントがかけるのは、尊敬してしまいます。

また、それにとどまらず、そこから蒸留所のハウススタイルを考え、なぜその特徴が生産工程から生まれるのかを、各蒸留所の解説で触れています。

たとえば、こんな文章があります。

「ベンリネス蒸留所がミーティな(肉のような)スピリットを造る理由の一つは、ベン・リネス山からワームタブに流れ込む水が、
非常に冷たいからである。」

ミーティとは、硫黄くさいということです。肉には硫黄が多く含まれているからです。

要するに冷却水が冷たすぎると、銅と硫黄が化学変化して、硫化銅になることが一部阻止され、硫黄がニューメイクに残ってしまうということですね。

前回DVDBOOKを書くときに、洋書をたくさん見ましたが、ほとんどフレーバーに関するコメントがなく、歴史ばかりが書いてある本が多かったです。
そこで、生産工程とフレーバーの関係を書こうと私は思いました。
デイヴも、そういったことを感じ、自分なりの本を書こうとしたのだと思いました。

おすすめです。

翻訳本も考えたいなと思いました。

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