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トレダノが退任

プーチグループ、ファッション部門トップのラルフ・トレダノが退任

「今年1月末に退任した。『ジャンポール・ゴルチエ』を軌道に乗せ、『ニナ・リッチ』に成功へのあらゆる布石を打ち、私のすべきことは全て成し終えている。『ニナ・リッチ』のギヨーム・アンリ(Guillaume Henry)は先月のショーで成果を見せてくれた」とトレダノ氏はFashionNetwork.comに明かす。後任には、ホセ・マヌエル・アルベサ(José Manuel Albesa)が4月3日付で就任するという。

90年代後半の「ギ・ラロッシュ(Guy Laroche)」にアルベール・エルバス(Alber Elbaz)を起用したことに加え、最近でも「ニナ・リッチ」のギヨーム・アンリ、「パコ・ラバンヌ(Paco Rabanne)」のジュリアン・ドッセーナ(Julien Dossena)など、デザイナーの優れた采配にも定評がある。

「私は自分の仕事を果たした。そろそろ去るべき時だ。自分の集めたチームと働くことができて、この5年間は面白い経験になっった。皆、今は重要な人材に育っている」と話したトレダノ氏。少しの休暇を挟んで、この秋にはまた別のエグゼクティブ職が決定しているという。

「ニナ・リッチ」に対しては、マネージングディレクターにソフィー・タンプリエ(Sophie Templier)を選んだ。「ソフィーとは15年一緒に働いているが、後を任せられるように彼女を育ててきた」という。「ジャンポール・ゴルチエ」には、ソフィー・ワントローブ(Sophie Waintraub)を起用している。

「ゴルチエ」では、赤字の原因となっていた既製服を終了しオートクチュールラインのみを保持するなどして、事業の軽量化に努めた。また、資生堂が所有していたフレグランスの知的財産権も昨年買い戻している。

昨今、ラグジュアリー業界での経営陣入れ替えが相次いでいる。ケリング(Kering)グループでは傘下ブランドのCEOの約半数が変更になったほか、バーバリー(Burberry)は元セリーヌ(Céline)のマルコ・ゴベッティ(Marco Gobbetti)氏を起用し、一方ラルフ・ローレン(Ralph Lauren)のステファン・ラーソン(Stefan Larsson)CEOは辞任する運びとなった。今回の退任もこうした流れを受けてのことではないか、という問いに、トレダノ氏は首を横に振る。

「ケリングに関しては、グッチグループ時代のトム・フォード(Tom Ford)の呪縛から漸く解放された、と見ることができるかもしれない。実に10年近くかかった」と説明する同氏。21世紀初頭、トム・フォードと当時のグッチCEO、ドメニコ・デ・ソーレ(Domenico De Sole)は、「ボッテガ・ヴェネタ(Bottega Veneta)」、「ステラ・マッカートニー(Stella McCartney)」、「バレンシアガ(Balenciaga)」、「アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)」といったブランドを次々に買収していた。

バーバリーは、「デザイナーとCEOを兼任させるということがまずい考えだと自覚しただけだろう。2年経ち、トップクラスのビジネスエグゼクティブであるゴベッティを雇って軌道修正を図っているんだ。彼は確かLVMHに10年ほどいたね。ラルフ・ローレンのケースは、家族経営のビジネスに新しいマネージャーを迎えるのが難しいという、よくある話なのではないかと思う」と指摘する。

プーチグループはスペインのバルセロナを拠点とするラグジュアリーコングロマリットで、主な収益はフレグランス事業によるものだ。特に、傘下の「カロリーナ・ヘレラ(Carolina Herrera)」、「パコ・ラバンヌ」、「ニナ・リッチ」、「ジャンポール・ゴルチエ」の4ブランドの割合が大きい。その他、「バレンティノ(Valentino)」、「プラダ(Prada)」、「コムデギャルソン(queeniebridesmaid)」のライセンスフレグランスも展開している。年間売上高は15億ユーロ(約1796億6200万円)相当。
 

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