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GLENCADAM

先日、常連様の御指名を受け、めでたく『グレンカダム』が開封されました。

『グレンカダム』は1825年(1827年という説も)創業の歴史ある蒸留所ですが、主に『バランタイン』や『スチュワーツ・クリーム・オブ・ザ・バーレイ』等ブレンデッド・ウイスキーの原酒として生産されていた為に、2003年にアンガス・ダンディー社に買収され、15年物のボトルが発売されるまでは、オフィシャルボトルはいっさい発売されておらず、独立瓶詰業者から少量のボトルが出回っているだけでした。
アンガス・ダンディー社は50年以上の歴史を持ち、ロンドンを本拠にスコッチウイスキーやその他スピリッツの生産や販売を営む家族経営の会社です。2002年度はトミントール蒸留所を買収しています。

今回開封したのは、GM社のコニッサーズ・チョイスで、1987年蒸留、2000年ボトリングで、度数は40%です。
甘くオレンジの様な果実味や、レモングラスの様な爽やかな香りの中に、クリーミーな風味が感じられ、なめらかでコクがある穏やかで味わい、砂糖水の様に潔く消えていくフィニッシュ、とても親しみやすいモルトに仕上がっています。

蒸留所はハイラム・ウォーカー社が所有していた1959年に大規模な改修工事が行われ、近代的な設備を備えた蒸留所に生まれ変わっているのですが、珍しいのはポットスティルのラインアームが15度くらい上方に傾いている事です。また硬度の高い仕込水を得る為に何と48キロ程も離れたリー湖のからパイプで引いていると言うものユニークな特徴です。
もしかするとこれらの特徴が『グレンカダム』のクリーミーさを生み出しているのかも知れませんね。

主要原酒として使用されているブレンデッド・ウイスキー「スチュワート・クリーム・オブ・バーレイ」の名の通り、まさに『グレンカダム』は「大麦(バーレイ)のクリーム」にふさわしい味わいのモルトでした。

チョコレートとの相性が良さそうです。



               Gordon & MacPhail  CONNOISSEURS CHOICE 
               『GLENCADAM』 1987-2000 40%  1200円/30ml

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