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BOWMORE 17年 (シルクプリントボトル)

モルトウィスキーに魅せられて15年が過ぎようとしています。
これだけモルトと接しているとお気に入りのボトル(ラベル)が生まれるもので、私はエドラダワーの蒸留所が描かれたオールドトールボトルや淡い水彩画が心和ませるトーモアの旧ボトルが大好きでした。
中でもボウモアのシルクプリントボトルを初めて見つけた時は、そのあまりの美しさにすっかり虜になったものです。
このボウモアのシルクプリントは、1997年にサントリーが所有権を獲得した翌年から2000年まで発売されていました。




このシリーズはダンピーボトルやクリームラベル等の古いボトルと比べると、ピート香が和らぎ落ち着いた風味になったと言われます。
量産のために施設が改造されたり、自家製のフロアモルティングが減少した事が原因ではないかと思われますが、今回ご紹介するこの17年について言えば、液体の琥珀色が美しく、味わい豊かな秀逸のモルトに仕上がっているように感じます。

グラスに鼻を近付けるとクリーミーでフルーティーな香りが鼻腔を通り抜けます。強く吸い込むと、幼少の頃に駄菓子屋で買って食べた、シート状で型をくり抜いて遊べるラムネ(落雁?)の様なお菓子の香りを思い出しました。
一口含むと力強いピート香と、冷んやりとした甘味の間を漂う塩気を感じます。
その後の紙ラベルのボトルの様なヨード香はあまり感じられず、香味豊かで上品な甘さを伴う余韻が長く続きます。飲み終えると喉越しのまろやかさに驚かされました。

 BOWMORE 17年  1600円/30ml

ボトルを眺めながら想い出の海を脳裏に浮かべると、強烈な旅愁に誘われるモルトだと思います。
私ももう一度、海側からボウモア蒸留所の美しい建物を眺めたい衝動に駆られました。



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