あれから自分なりに考えてみた。
あんまり稽古の時間は取れないし
かと言って店だってあんまり休みたくない
店を休むということは即ち収入の減少を意味する。
高校生を頭に4人の娘が居て、ただでさえ家計は火の車なのだ。
若い時みたいに自分の為だけに生きられる訳じゃない。
それに漠然とやらせて頂けるんならやりたいとまでは言えても
先輩の所で小さな役で良いからやらせてなんてこちらから言える訳がない。
そんなの今まで芝居を続けて来た方々に失礼と言うものだ。
やっぱりオイラの考えは厚かましいのだ。
「こないだはつい口を滑らせちゃいましたけど、良く考えると迷惑かけちゃうんで忘れて下さい」って言おう。
心にそう決めていた。
28年振りの再会から一週間も経たないある営業日。
2人はやってきた。
お世話になってた劇団のHPに名前がないからてっきり芝居を辞めてしまったと
思っていた先輩は退団後に今の劇団を立ち上げたのだと言う。
年一回ペースの公演で、今年も12回目の公演が控えているのだそうだ。
「もうじき台本が上がって来るから次の公演一緒にやろう!
日曜と店の定休日の月曜使えば稽古もできるし
装置も簡単やから前みたいに時間は掛からないし
できるんならやって欲しい」
…まさか誘って頂けるなんて思わなかった。
「日曜の昼の公演が千秋楽やから打ち上げ早めに抜けたら店の開店に合うんちゃうかな?」
…たしかにそれなら2日休むだけだよな。
「別に一回やったからってずっと続けないといけない訳やないんやから」
…ダメ押しだ〜!お断りする理由が見当たらない。
嬉しかった。
また芝居ができる事が
夢中にやってた事を今でも覚えててくれた人が居た事が
求められて参加できる事が
全てが嬉しかった。
今度また3人で飲みに行きましょうと約束して先輩たちを見送った。
47歳、男一匹!
どこまでできるかわかりませんが精一杯頑張らせて頂きます‼︎